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外科病棟の病棟医長なるポジションの医師は、結構下の医者や看護師に怒ることが多い。

この医師の苗字の意味が『衛星』

最初のころは、いつも怒っていて嫌だなぁと思っていたけど、

いろんなスタッフに接するうち、きちんと改善を見据えて物事をとらえている人は少ないと感じた。

結局、上からの評価とか、自分が怒られないためとか、そういう人が多いなか、

この医師は割と患者さんのことを考えて怒っている場面が多いなと。

最近は言っている内容がほぼ分かるので、ますます正論であることを知るようになった。

もちろん、そんなことこの人に言っても…とか、怒らなくても…みたいなこともあるけど。


ある時は看護師に。

先日、心臓に近い静脈に留置している点滴の針の固定ガーゼとテープが

めちゃくちゃ汚れていることがあった。

このまま放置したらすぐに血液が感染して敗血症になってしまう。

お前はこの敗血症の怖さが分かるか?この病院では助けられない。

看護師としてこの患者の何を看てるんだ?この点滴のことも分からないようじゃ、

褥瘡ができないようにどうするとか、活動性を上げるためのケアを考えてしていないんじゃないのか?

どうなんだ?


と詰め寄っていた。


またある時はスタッフドクターに。

手術後、お腹の中からの出血を圧迫止血するためにタンポンガーゼというものを

傷口から入れている患者さんがいた。

でもそのガーゼを回収しないまま退院させて、1ヶ月放置したらしい。

日本なら立派な医療事故。

でもここでは大事にならなかった(患者が訴えないから)

かなり腐敗臭のするガーゼを回収し、膿と血液を押し出して消毒し、

何も心配ないと患者に説明しながら、淡々と作業を担当の医師に見せる。

患者は幸い元気で外来処置のみ。患者が帰った後、

これが1ヶ月もお腹の中に放置されていたんだな。どうしてだろうな。

と一言だけ担当医に言って去っていった。

また、回診のときに、記録や処置でできていないことは徹底的に指導する。


ある時は看護助手に。

ベッドの脚が床を傷つけないように、レントゲンフィルムを切ったものを敷いているが

それが大きくてぺらぺらしていた。

これは患者が足を引っかけてしまわないのか?こんなに大きい必要はあるのか?

またシーツに大きな穴があいていて、

これは見栄えが悪いのもあるけど、

お前は、患者が指や足を引っ掛けて怪我をしない可能性は全くないと思っているのか?


と。


看護助手の業務量や病棟の備品の不十分さを考えると、助手だけに言うのはどうかな?

とも思うけど、正論は正論だ。


回診は医師全員と、その部屋担当の看護師、看護師長、看護助手のリーダー、

消毒担当の看護師(医師の手指消毒のため)+自分というメンバー。

何か問題があったときは、廊下に一旦集められて説教が始まる。

見せしめみたいになって嫌なのは分かるけど、

こういう時、怒られている医師や看護師や看護助手の態度はどうかというと

全くそっぽを向いて無視。うつむくのはまだかわいいほう。

他の人は知らん振りで他人事。


分かりましたも、すみませんも、自分はこう思いますも、気をつけますも

何にもなし。時々他の人のせいにしたりの言い訳はあるけど、

ただただその時間が過ぎるのを待っているだけ。

小学生じゃあるまいし・・・

ウズの説教スタイルはこうなの?と言うほどみんながみんなそうなので、

あきれて途中で回診を抜けることはしばしば。

これはパフォーマンス?ただの見せしめ?だったらこの時間かなり無駄。そうじゃないことを祈る。
正論を言ってくれている人にこの態度?だったら失礼すぎないか?

何が悪かったのか自分で考えないと同じことの繰り返しじゃないの?


それでも逆上することなく、怒りが尾をひくこともなく、淡々とスタッフを束ねている

この医師を信頼できるようになった。

こうしないといけない、というだけでなく、なぜそうしないといけないか、も伝える。

それについて自分で考えさせる。

よく観察すると、この医師はあまり怒鳴らないなぁと。

その代わり笑うこともそんなにないんだけど…


最初はびびって敬遠していたけど、最近言いたいことは言えるようにもなった。

自分が病棟で初めて本気で怒った相手は、何を隠そうこのトップの医師にだ。

床に汚染物を捨てるなとね。

真意が通じたのか信頼関係も築けていたので、おかげでトップダウンの力で

病棟内では『床に物を捨てる=悪い』は正統派に。堂々と注意できるようになった。


日本の状況とか、自分自身の調子とか当たり障りのない会話しかしていないけど、

毎日必ず声をかけてくれ、気にかけてくれている。

もっとつっこんだ話がしたいなと、する価値はあるなと思える医師。

インスピレーションが通じているというか、お互い信頼し合えているとは感じる。

自分で考えさせる、というところに共感できたからかな。


外科病棟にボランティアが必要ないと思った理由の1つはこれ。

病棟医長も師長もできた人たちだから。

少なくとも現状に満足はしておらず問題意識を持って、改善しようという意志がある。

それなら逆にボランティアが手助けするという意味でいる価値はあるのでは?といわれるが。

確かに最初は恵まれた環境だと思って、できることは何かといろいろ考えていた。

でも分かったことは、外科病棟はウズの現状に諦めの気持ちが強すぎ。業務量が多すぎ。

語学に不自由しない現地のスタッフを一人雇ったほうがよっぽど助かるのではないかと。

医長か師長を少し研修に行かせてあげれば、きっと自分たちで変えていける人たちだ。

今の現状で、病棟の中にいても自分が何かできる余地はないよと、お手上げだった。


でも、自分も一緒になって諦めちゃだめなんだよな…とも思うように。

少なくとも自分の言動はトップの医師にも影響を与えている。

自分の活動の対象は看護師だけど、医師の協力は絶対必要。

だったら、この医師を巻き込めばよいのでは?巻き込めるのでは?

掃除が行き届いていないと、くどくど注意してめんどくさいなと思ってたし、

看護業務に口を出してくるのは嫌だったけど(医師と看護師は業務内容が違う専門職だから)

看護師のレベルが分かると、こりゃ言われてもしかたないなぁと。

だったら、どんどん正論を言ってもらうように、アプローチしてもいいかもしれない。

日々の業務の中での指導って、伝えることが難しくてなかなか形にならないけど

諦めずに続けていかなきゃ実らないし。

忍耐力と根性だけがとりえだったんだから活かさないとね。


自分が最初で最後のボランティアになるかもしれないけど、外科病棟に足跡残せるように。

衛星さんともっと仲良くなろう。
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